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映画「フラガール」を見た

 映画「フラガール」がテレビで放送された。その日は所用のため、見ることができなかったが、録画しておいたものを昨日見ることができた。
 フラガールは、常磐ハワイアンセンターのフラダンスを踊る踊り子たちの創設時の苦労を描いた映画である。彼女らは常磐炭坑の抗夫の娘たちであり、フラダンスなどというものを見たことも踊った経験もない女性たちだ。
 そもそも常磐ハワイアンセンターは、常磐炭坑の斜陽に伴う人員整理で失われた働き口を確保すること、併せて炭坑からわき出る温泉(このために起こる落盤事故が少なくなかった)の利用という一石二鳥のアイディアから創設されたもので、炭坑住宅に住む若い娘たちの活躍場所を確保するということも期していたのである。

 なぜ、そんなことを知っているかと言えば、私自身が「常磐炭坑」の出身だからだ。
 私が中学生から高校生だった頃、昭和30年代の後半は安価で火力の強い、しかも燃えかすの出ない石油の普及によって石炭の需要がどんどん減っていき、日本中の炭坑の経営を圧迫していった時代であった。石炭を掘れば掘るほど経費がかさむことから、出炭の制限をしたり、人員削減をして人件費を抑えたりすることを余儀なくされていた石炭産業の終末期だった。
 黒いダイヤともてはやされて、戦前・戦中・戦後の日本を支えるエネルギー産業の花形だった石炭が、新しい化石燃料「石油」にとってかわられる、そんな時代の常磐炭坑の生き残り作戦が「常磐ハワイアンセンター」だった。

 映画の中で描かれている炭坑のズリ山、炭坑住宅(炭住)の様子やそこでの生活ぶりは、よくもまあ細部にわたって考証し再現したと感心させられるほどリアルで、私も子ども時代を思い出し、懐かしさにひたってしまった。
 そして何よりも常磐地方の方言もごく自然に演じられていて、『そうそう、こんな言葉を使っていた』と懐かしさを感じると同時に、俳優たちの演技力に感心させられた。
「でれすけ」「教えてくんちょ」「やっぺよ」など懐かしい言葉が、ごくごく自然なイントネーションと発音で語られ演じ
られていたのに驚かされたのである。

 そして一方では、若い娘たちの奮闘ぶり。
 ハワイアンやタヒチアンのダンスに関して何の経験も持たない娘たちが、曲がりなりにも人前でダンスを披露し、それで収入を得るというプロのダンサーとしての技を身につけていく過程が見事に描かれていて、思わず泣かされてしまった。
健気にがんばる姿とその精進によって見事にダンサーとして成長していく様子、それに「裸踊り」と揶揄する周囲の人々の理解をかちとっていく経緯が何とも泣かせるのだ。
 常磐ハワイアンセンターは、現在は「ハワイアン・リゾート」としてますます発展している。これを創設しようと思った当時の人々の発想力と先見の明に感動を覚えながら愉しんだ映画であった。
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ヤマハの「EZ-TP」を手に入れた。
誰でも簡単に演奏できる“歌う! トランペット”と謳い文句にあるように、マウスピースに口をあてて歌うと、声の音程・音量を自動的に感知してトランペットの音で演奏できるという楽器である。
それなりに練習しなければならないトランペットの演奏が、歌うことの出来る人であれば誰にでも可能、というバリアの低さで出現したのである。
バズィングをしてしまうと、まともな音にならないが、「アー」とか「ター」とか発音しながら歌うと、見事な音色で演奏することができる。本物のトランペットだと、何よりもその音色を手に入れるまでが大変で、そこで挫折してしまう人が多いのだ、(もっともそれはどの楽器でも同じだが)
これなら、子どもでもお年寄りでも、手軽に垣根を乗り越えて演奏を楽しめるだろう。
いわば「イージーギター」のトランペット版だ。学習指導の場でも大いに活用の余地と意義があるのではないかと見ている。


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