イライラ音楽 [音楽教育]
昨日テレビをつけっぱなしにして仕事をしていたら、なにやら気ぜわしい音楽が聞こえてくる。
うしろから追い立てられるような気分にさせられ、『いったい何事だ?』と思いテレビに目をやるとCMであった。学習塾の公文のコマーシャルではないか。小学生の女の子の顔が大写しに映し出されている画面の背景には似つかわしくないその音楽が流れているのである。
これまで聴いたことのないたぐいの気ぜわしい、そして何ともイライラして落ち着かないイヤな気分にさせられる音楽である。いつ果てるとも予想のつかない細かい落ち着きのない音型がバタバタと続き、終止に向かう気配がなく「見つかるあてのない着地場所」を求めてただただ中空を慌てふためきさまよっているかのような音楽なのだ。
公文の意図がどこにあるのか推測のしようもないが、こんなふうに人は勉強に追い立てられてしかるべきなのだということでも表現しているのであろうか。(それでは学習塾の宣伝にはならないだろうから、そういう意図でつくられた音楽ではないのだろうが)
その音楽を聞いてしまってからというもの、何とも不快でイライラした気分が抜けず、いったいこのピアノ曲を作曲したのは誰かと調べたくなってしまった。
公文のHPを見てみると、判明した。高木 正勝という作曲家の「girls」という曲だそうだ。
公式のHPに「CMの音楽」と題して、わざわざそのためのスペースを割いているということは、例えば「あの曲は何という曲?」「タイトルを教えて」「誰が作曲(演奏)しているの?」などといった質問が多く寄せられたということなのだろうか。
あるいは、公文がこの新しいCMを「なかなかよいCMでしょう?」と自負していることを表しているのだろうか。いずれにしても不安感や焦燥感を抱かせる音楽である。
作曲家とこの曲をCMに採用した公文の意図はわからないが、このCMを視聴して不快な気分を味わっているのは私一人なのだろうか。ひょっとすると、私と同じように不快な気分を味わった人々が
イライラ感から来る「何というタイトルの何のための音楽?」という素朴な疑問を公文にぶつけ、それがHPでの公開につながっているのかも知れない。
音楽に「もう一度聴きたい」という音楽と「二度と耳にしたくない」という音楽があるとしたら、私は絶対に後者に分類したいと思う。
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