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海外から賞賛の声

 3月13日に放送された「東北地方太平洋沖地震に関する天皇陛下のおことば」の中で、海外メディアの日本人に対する賞賛の声についても次のように触れられていた。
『海外においては、この深い悲しみの中で、日本人が、取り乱すことなく助け合い、秩序ある対応を示していることに触れた論調も多いと聞いています。』

 ネット上にもそうした情報がたくさん掲載されているので、紹介したい。
 たとえば、『米ロサンゼルス・タイムズ紙は13日、東日本巨大地震を取材中の特派員電を掲載、「非の打ち所のないマナーは、まったく損なわれていない」という見出しで、巨大な災害に見舞われたにもかかわらず、思いやりを忘れない日本人たちを称賛した。』という記事もあった。
 また、同じアメリカでの話であるが、『被災者の忍耐強さと秩序立った様子に驚きと称賛の声が上がっている。』として、「なぜ日本では略奪が起きないのか」といったテーマで議論をするメディアもあるという。
 CNNテレビは、2005年に米国で起きたハリケーン・カトリーナ災害や10年のハイチ大地震を例に「災害に付き物の略奪と無法状態が日本で見られないのはなぜか」として意見を募集。視聴者からは「敬意と品格に基づく文化だから」「愛国的な誇り」との分析や、「自立のチャンスを最大限に活用する人々で、進んで助けたくなる」とのエールも寄せられた、と報じられている。

 また、地震多発国で東日本大震災への関心が高い中国では12日、非常事態にもかかわらず日本人は「冷静で礼儀正しい」と絶賛する声がインターネットの書き込みなどに相次いでいるという。
 「ツイッター」の中国版「微博」では、ビルの中で足止めされた通勤客が階段で、通行の妨げにならないよう両脇に座り、中央に通路を確保している写真が11日夜、投稿され、「(こうしたマナーの良さは)教育の結果。(日中の順位が逆転した)国内総生産(GDP)の規模だけで得られるものではない」との説明が付けられていた。
 さらにそれに関して「中国は50年後でも実現できない」「とても感動的」「われわれも学ぶべきだ」との反響が寄せられたらしい。
 また大震災を1面で報じた12日付の中国紙、環球時報も「日本人の冷静さに世界が感心」との見出しで報じた。

 シンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズは16日、「静かなる威厳」と題した論説を掲載し、危機的状況下でも礼儀と忍耐を忘れない日本人を称賛したという。
 論説は「自然が引き起こした混乱に、秩序を保つことで挑んでいる」とし、“威厳”に満ちた日本人の対応を次のように紹介している。
 損壊した民家から救い出される際、救助隊員に「不便」をかけたことを謝罪し、他の被災者を気遣った女性。無料で飲料を配布する自動販売機の所有者。空腹にもかかわらず、食料配給の長い列に整然と並ぶ人々等々。
 2005年8月に米南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」の際、強盗などが多発したことに言及した上で、一連の日本人の行動を「めったに遭遇することがない英雄的行為」と褒めたたえたという。

 さらに「怒鳴り合いもけんかもない」「本当に強い国だけがこうした対応ができる」として、ベトナムのメディアは、東日本大震災での日本人の冷静な対応ぶりを、在日ベトナム人らが驚き称賛する声を伝えたという。
 同じベトナムでは、「防災訓練を受けていても怖いはずなのに、誰もパニックに陥る人はいない。自分の仕事に集中し、連絡を取り合っていた」。日本で働くある女性はインターネット新聞に「われわれが学ぶべき多くのことが分かった」と語ったと伝えられている。
 また、ある留学生は、長い列をつくってバスや公衆電話を我慢強く待つ光景などを挙げ「皆が冷静に秩序だって行動していた」と称賛。別の留学生は、教師が子どもたちを誘導する姿など、行政当局者から民間人までの素早い対応ぶりに驚いたという。
 さらに「こうした強さゆえに、日本人は世界で最も厳しい条件の国土で生き抜き、米国に並ぶ経済レベルを達成できたのだ」とたたえる声も伝えられた。

 また、13日付パキスタン英字紙ネーションは社説で日本の防災意識の高さと規律正しさで救いがあったと指摘。「日本は第2次大戦の荒廃から見事に復興した。また新たな奇跡を起こしてくれるだろう」と結んだ、とYahooのあるページで紹介されていた。

 「日本以外で(この地震が)起きたらこれだけの対応は見られないだろう」。13日付インド経済紙ビジネス・ラインは、栃木県のホンダの拠点を訪れていた印タイヤ大手幹部の目撃談として被災地の粛々とした対応への驚きを伝えた。ヴィカス・スワルプ駐大阪総領事は他の新聞への寄稿で阪神大震災後の復興を紹介し「日本人はこの悲劇から立ち直る」と断言したことも伝えられている。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは12日付で「不屈の日本」という社説を載せ、「大自然からの打撃に遭っても生き延びる備えを、日本人がどれほどきちんとしているか指摘せずにいられない」と、日本の防災システムや建物の耐震設計を称賛。大地震で被害が出たハイチや中国と比べ「誤解してはいけない。日本の産業力は今も偉大だ」と力説したという。

 日本人にとっては、当然のことであっても、海外の人には驚くほどの「人としての質の高さ」にうつるようだ。そのことを日本人は誇りに感じて良いであろう。日本人は捨てたものではないどころか、日本人がもともと持っている美質を見直し、再起への自信と励みにできるのではないか、と強く思わされるではないか。
中国のツイッターでつぶやかれているように、日本人は、GDPなどという数値では計れない、表せない「人としての質の高さ」を持っていることを信じてがんばることが、これらの声に応えることに他ならない。

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笹木 陽一

大変ご無沙汰しておりました。
地震の報道に接し、心を痛めておりましたが、記事を拝読し、大変安心いたしました。とはいえまだまだ落ち着かない状況が続くかと思います。くれぐれもご自愛ください。

本校でも明日から修了式までの4日間、義捐金を募る活動を行います。今年は生徒会担当ではないので、中心となって動く者ではありませんが、生徒会担当者に先生のこの記事を紹介させていただこうと思います。

たくさんお話したいこともありますが、もう少し時を待ちたいと思います。遠く北海道で、私にできることをしっかりと考えて、慌てず・騒がず・坦々と、日常を大切に生きたいと思います。被災された皆様に一日も早く平和な日常が戻りますことを強く願うと共に、そのためにできることを精一杯やりたいと思います。では失礼いたします。
by 笹木 陽一 (2011-03-21 17:48) 

おじおじ

笹木先生、ご無沙汰しております。
嬉しいコメントをありがとうございました。
茨城も大揺れに揺れ、幸い我が家は無事でしたが、断水が長く
続き、常磐線は不通、自動車を使いたくてもガソリンが手に入
らず、その上福島第一原発が深刻な状況に陥り、放射性物質に
よる被害の懸念も出現してしまいました。
震災以降、絶え間なく大小の余震が続き、不安な日を過ごして
いました。
そのことを心配した娘から、茨城を離れて避難するようにとの
連絡が数度にわたって入ったことから、現在は避難生活をして
います。
聞くところでは、常磐自動車道も通行止めが解け、常磐線も上
野→土浦間が間引き運転ながら開通し、我が家のある町の水道
も復旧したということですので、原発事故が収束の方向に向か
って安定した状況になる頃を見計らって、我が家に帰ろうと思
っています。一日も早くその日が来るようにと思っているので
すが、茨城県や福島県、栃木県、千葉県産の農産物から放射性
物質が検出され、出荷制限がなされるという新たな事態が起き
てしまいました。落ち着いて対処することが肝要かと思ってお
りますが、風評被害によって制限された生産物まで返品ラッシ
ュが起きていて、茨城に帰っても新鮮な野菜が手に入らない可
能性も懸念されるところです。
それでも、避難生活を脱することができるのは、そう遠くない
日だろうと希望的観測をしています。宮城や福島、岩手で被災
されておられる方々のご苦労を思えば、私の避難生活は誠に恵
まれたもので、このままずっとこの生活をしていていても何の
不便も不自由もありません。しかし、相次ぐ余震で我が家がど
うなっているかも気がかりではあります。
確かめに行くことも思うようにできませんが、まさか住む家が
なくなっているということはないだろうと楽観しています。
まずは、お礼かたがた近況報告まで。
ありがとうございました。
by おじおじ (2011-03-23 10:09) 

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